事前アンケート及び当日のヒアリングから
◆現在の状態を教えて下さい
◆悩み始めたきっかけは何ですか?
◆悩み始めた時期から、現在までどの位の時間が経過していますか?
・約4年経過
◆イップスについて、どなたかに相談されていますか?
・チームの監督やコーチ
・チームの同僚、先輩、後輩
◆これまでの経緯
高校1年生のある日、キャッチボールの相手から「今日はショートバウンドが多かったぞ」とコメントをもらった。利き腕の軌道が良くないと思い、軌道を意識して投げるようにした。
その後また「セカンドなのに、少しオーバースロー気味じゃないか?」と同級生にアドバイスをもらった。自身ではそれまで意識したことはなかったが、周囲が観てそうならそうだろうと、少し肘を下げた方が良いと考え、サイドスローを試みた。以降サイドスローの練習を行った。
ある練習試合でのこと。その日はセカンドを守っていた。打球が飛んできた。難なく内野ゴロを捕球。練習通りサイド気味でファーストへ送球。しかしショートバウンドの悪送球になってしまった。ファーストは難なく捕球してくれたため結果アウトにはなったが、その出来事以降、腕の軌道が気になるようになった。気にしていたらだんだんと投げ方がわからなくなっていった。このような状態がずっと続いた。
結果的に、高校3年間はキャッチボール、送球に日々苦しんだ。”もううまく投げられない”と思い、自ら高校で野球に区切りをつけた。
その後受験で大学に合格。1年間は野球をせずに過ごした。しかしどうしても野球をやりたい気持ちが抑えきれず、大学の準硬式野球部の門を叩いた。幸い受け入れてくれて入部することができた。
キャッチボールができるかどうか、とても不安だった。だが1年間キャッチボールをやっていなかったせいか、高校時代のようなひどい状態ではなかった。ただ、時々イップスの顔をのぞかせるのがわかった。やはり、いつ発症するか不安で仕方がない。
◆所感
早速キャッチボールを見せてもらったが「今日はいい調子です」と言っていた。確かに暴投することもなかった。ただ抜け気味の球がいくつも見られた。再現性は非常に低いことを感じ取った。利き腕だけを意識して操作しているようなフォームになっていた。過剰なテイクバック、過剰なリリースでの力みがあった。上半身と下半身のタイミングがあっていなかった(この点は本人も課題として理解していた)。
約30分かけて、不連動を起こしている問題点を指摘し、改善策を伝えた。
休憩後、問題点を解決すべく意識する点を伝え、早速キャッチボールに入った。すると1回目でボールの軌道がコントロールされ、回転数も一気に上がって見えた。ボールの威力が増した。私も少し驚いた。恐らく元々体の使い方が上手だったのだろう。本来のスムーズであろう動きが出てきた。
本人に聞いてみた?「どう?」と「気持ちがいいです」といったコメントが返ってきた。
更にクイックスロー、捕球後のスローイング、近距離でのスローボールも練習してみたい。といったリクエストがあったので応じた。捕球後のスローイング、近距離のスローボールはOK。クイックスローがもう少し時間が必要。後は再現性を高める為に超近距離キャッチボールを行い、今後の練習で気を付ける点、やってはいけない練習を伝えた。
「ボールコントロール」→「ボディコントロール」
◆受講後アンケート→141630m受講後アンケート
トレーニングサポート研究所
所長 松尾 明