イップスの直し方
イップスの直し方(考え方)
神経の可塑性を逆に生かし、理に叶ったフォームに立て直す
改めて、過度な同一動作によって起きる運動障害をイップス(yips)と呼びます。神経科学や神経生理学、脳科学の領域ではこのような変化を「神経の可塑性(かそせい)による変化」と説明しています。可塑性とは、力を加えると、力を加えた分だけその部分に歪みが残るような作用のことです。つまり変化を加えると変化したままになるということです。これを粘土に例えた場合、粘土の塊を指で押すと、押した箇所に歪みができます。そして指で押した粘土からその指を離すと、押された分だけ凹んだままになります。元の形には戻りません。このような性質を「神経の可塑性」と言います。神経の可塑性の性質によってイップスが発症しているということです。
当研究所では、上述してある医科学的な情報を前提に、独自の理論(重心制御理論)によるフォームの再構築を行っています。つまり、基礎及び基本動作からフォームを立て直します。違和感や不快感を伴い、腕の力が抜ける或いは硬直するような感覚が多いイップス特有の運動感覚(動作)を、力の調節が容易で関節がスムーズに連動し、ストレスのない運動感覚(動作)へと転換を図ります。コーチと一緒に身体を動かしながら心地良い動きを目指します。
イップスを改善へと導く「重心制御理論」
「まさか重心!?」と思われるかもしれませんが、多くの選手が気づいていません・・
<重点制御理論とは>
重心制御理論(以下本理論)とは、地面反力(床反力)を的確に捉え、安定したフォームを構築(再構築)する考え方です。体の重さ(自体重)を効果的に活用し、身体の動きをコントロールしやすくする技法です。本理論を導入するうえで、欠かせない要素が3つあります。それが「重力」「重心線」そして「重心」の3要素です。最終的に最も大切な要素が「重心」であるため「重心制御理論」と称しています。
尚、これら3つの要素を踏まえたうえでイップス特有の不随意運動のトリガー(起点)を探し出し、意に反する動きの発動を最小限に抑え込みます。その後、新たに円滑な運動プログラムのトリガー(起点)を探り当て、安定動作の定着を図ります。※トリガー(起点)を間違えないことが非常に重要。
さらに本理論は、関節の機能的な運動連鎖を引き出すために、重心周辺の部位制御にも着目しレクチャーしています。個々の運動特性に合わせた運動連鎖を引き出し、選手本来のポテンシャルを最大限に引き出します。※一定の効果を実感するまで早い方でも初回ご受講で2、3時間は投げる必要があります。
<重心制御理論を用いた改善指導事例>
動作が改善されると、心理的症状(不安やストレス)から自然と解放されていきます。映像からも伝わってきませんか?
■大学生(捕手)レクチャー前
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■大学生(捕手)レクチャー後
投球動作が途中で引っかかる(不随意運動)のは、これまでメンタル(心因性)が原因ではないかといわれてきたようです。しかし、重心を制御できるようになると関節の引っ掛かりが減少し、一連の動作が以前に比べスムーズになっているのがわかります。
立ち居振る舞いが明らかに変化。投球動作に充実した状況が窺えます
■高校生(外野手) レクチャー前
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■高校生(外野手) レクチャー後
左足の「カックン」となる動きが、リリースに影響を及ぼしているのが見てとれます。重心を制御できるようになると、「カックン」の動作が軽減され、自ずとリリースが安定し始めます。立ち姿まで変化してきます。相手のミットに入るボールの音を聞いてください。ボールの勢いも変わっています。
腕を思い切って振れなかったのが、思いっきり振れるようになっています
■大学生(投手)レクチャー前
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■大学生(投手)レクチャー後
本来のフォームが崩れ、元のフォームに戻すことができずに手探り状態が続いていたようです。結果、ボールを置きにいかざるを得ないフォームが定着していました。しかし重心をとり、安心して身体をコントロールできるようになると、自ずと思い切って腕を振れるようになっていきました。
地面への叩きつけが極端に減少。以後自身でも修正が可能
■中学生(投手・外野手)レクチャー前
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■中学生(投手・外野手)レクチャー後
リリースで引っかかってしまうケース。こうなると投げる意欲も本来の自信も減退していきます。しかし、重心が制御できるようになると、姿勢も変わり自ずと関節が連動していくのがわかります。また、途中すっぽ抜けが出てきますが、本人が修正箇所を把握しているため、自身で修正することができるようになります。早めに連絡くださって良かったです。
リリースでの指の掛かりが全く別物になったようです
■大学生(投手)レクチャー前
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■大学生(投手)レクチャー後
レクチャー前はボールが引っ掛かったり、すっぽ抜けたりと、リリースで力がうまく伝わらず、指先の感触が良くない状態だったようです。また不随意運動までは及んではいないもの、本来のフォームが分からない状態のため、力づくで投げるしかない状態だったようです。
レクチャー後をご覧ください。リリースでのボールをはじく”音”がより鮮明になり、ボールに力が伝わっているのが映像からも伝わってくるかと思います。アンケートにもありましたが、課題はメンタル云々ではなく、動作システムの問題であることに気づいた様子でした。心地良さそうに投げていました。
重心線プレート[特許取得]
逆転の発想から生まれました!
「重心線プレート」は、重力、重心線、重心の3要素を実感できる装具です。
「重心線プレート」は、動作が不安定な選手を更に不安定な状態へと誘導し、本来安定しようとする能力を自ずと引き出すための装具です。装着後に実感する身体の安定感と、動作の施しやすさは他に類をみない感覚かと思います。自身の体を支える絶妙な重心バランスと、手足の操作感が改善されてくることを実感されるはずです。
※「重心線プレート」は、特許商品です。
※「重心線プレート」は、イップスを直すために必要に応じて(ご希望に応じて)使用しています。
重心線プレートの効果
おかげさまで、非常に高い評価を維持しております
受講者アンケートからも、イップス改善には特に高い効果を発揮することが確認されています。直近186名の方に装着いただき、その効果度を100点満点で評価頂いたところ、平均80点と高水準の評価を得ています。
重心線プレートは、当研究所のコーチングをお受け頂いた方、或いはチームでご受講いただいた方のみに販売しております。理由は、独特な使用方法があり、また使用上の注意点をきちんと説明する必要があるためです。