「思うような投球が出来ず、自分のやっている事は間違っている‥」(高校生・投手・千葉県)

事前アンケートについて

◆現在の状態を教えて下さい

・よく引っかかる
・よくすっぽ抜ける
・指に掛かっている感触がない
※具体的には、バックネットへの暴投、ピッチャーゴロ、バント処理からの送球が殊の外難しい

◆悩み始めたきっかけは何ですか?

・オフ明けのキャッチボール

◆悩み始めた時期から、現在までどの位の時間が経過していますか?

・2ヶ月程前から

◆イップスについて、どなたかに相談されていますか?

・まだ誰にも相談出来ていない

所感

◆投球動作のフェーズ分けから見た所感

①ワインドアップ期(準備段階。ステップ足が一番高い位置までの間)
・投げる方向へ引っ張り出されるように突っ込んでいた。
・早い段階から利き腕への意識が殊の外強く感じられた。
②アーリーコッキング期(グラブからボールが離れ、ステップ足が地面に着地する間)
・利き腕操作を主体となっていた。
・ステップ足が着地した際、既にステップ足に体重が乗っていた。
③レイトコッキング期(ステップ足が地面に接地し、利腕を後ろに引いた時までの間)
・ステップ足が地面に接地したタイミングと、トップに到達したタイミングが投げる度に異なっていた。
・マニュアル操作であることが見て取れた。
・肩が開かない意識が強いのか、殊の外グラブ側の肩を捻るようなしぐさが窺えた。
④アクセレレ―ション期(利腕を後ろに引いた時点からリリースまでの間)
・利き腕を前方へ引っ張り出している様子が見てとれた。
・宙を撫でるような腕の動きになっていた。
・テイクバックの軌道を殊更意識していた。
⑤フォロースルー期(リリースから投球動作が終了するまで)
・リリースポイントで、力が抜けてしまっていた(腕を振りたいけど、振れない状態)もどかしい様子が見て取れた。
・リリースの瞬間に手首、肘先でボールコントロールをしていた(そうならざるを得ない状態になっていた)。

◆イップス克服コーチングの指導と感想

きっかけは2ヶ月前。久しぶりのキャッチボール(体調を崩し、数日間部活を休んでいた)。
いきなり1球目から、今まで感じたことのない”違和感”を感じた。指先にボールが掛からず、リリースで感覚がなかった。※特にプレッシャーがあったわけではない。それでも何とかしようと、その場凌ぎでリリースポイントやテイクバックの確認、修正を行なった。それから数日その状態が続いた。

ある時、ブルペンに入った。ブルペンに入れば変わるかと思ったらそうでもなかった。
変わらず、すっぽ抜けるボールが続く。これは”絶対におかしい”と思い、肩の開きやグラブ側の腕で壁をつくるよう修正を試みた。それでも、リリースで抜ける感覚は変わらなかった。
地面に叩きつける練習等も試みた。地面に向かって投げている時は良いが、実際のキャッチボールでは変わらなかった。変化が見られず、以降、その後も練習でも試合でも同様の状態が続き、何とかその場凌ぎで約2ヶ月が経過した。「この状態ではまずい」と思い、サイトで検索し来所。
まずはキャッチボールで状態確認。動画も撮り、2人で現状確認を行った。
なぜ、抜ける感覚が出るのか?なぜうまくコントロール出来ないのか?スピードも出なくなったのか?・・その理由を説明した。約1時間程動作を交え説明した。次第に合点がいき始めたのか、すっきりした表情になってきた。

腑に落ちた様子であったので、以降はその状態を打開すべく投球技能の再構築に入った。1回、2回、3回と計8セット程休憩を取りながらキャッチボールを繰り返した。 レクチャー2回目あたりから、ボールが自然に掛かり始めたのか、表情も紅潮し始め「心地がいい」と言葉が聞かれてきた。スピードも増してきた。斜めだった回転が、まっすぐになってきた。勢いが出てきた。私も受けていて、手の平が痛くなってくる程だった。
最後に、更なる自動化を定着させる為の反復練習が必要。再現性の精度を高める、自主練習のポイントを伝えて終了した。

「ボディコントロール→ボールコントロール」

「ボディコントロール→バットコントロール」

受講後アンケート→10132505受講後アンケート

トレーニングサポート研究所

所長 松尾 明

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