埼玉県の高校3年生(内野手)へ、出張にてイップス改善指導を行った。
【イップ症状のきっかけ】
・高校1年時のミスプレーがきっかけ。その際、周囲からの過度な叱責により急に投げることが困難になった。以後横から投げてみたり、リリースポイントを確認する練習など思いつく方法はなんでも行った様子。ただ、高校引退するまで改善しなかった。打撃が持ち味。大学への進学が決まっており神宮での活躍を目標に改善指導のリクエストがあった。
【主な具体的症状】
・投げ方そのものが理解できなくなっている。どうやって投げればよいかがわからない。自分の体をうまくコントロールできない。
・送球の際、下にたたきつけてしまう。
・いやなイメージが離れない。
・ふわっと浮いた感覚がある。
【改善プロセス】
1.現状把握(イップス症状のきっかけ、これまで行ってきた練習方法、相談をした人、具体的にアドバイスをいただいたこと・・・)
2.当所の方針説明
3.ウオーミング・アップ
4.キャッチボール
5.バットスイング
※以降、キャッチボールとバットスイングを交互に実施。休憩を取りながら、これまで行ってきた作業記憶の上書きおよび良好な動作の再現性を促す。
【所感】
・とても覇気があり、理想的なスポーツマン。メンタルvが弱いという印象はない。一見イップスに苦しんでいるようには見えない。
・約2年間もの間に身についている不安定かつストレスを助長する投げ方がどうやら影響していることがうかがえた。スムーズな作業記憶を促すために少し時間が必要。
・安定感ある送球感覚を数度実感していた。
特に利き腕(指)にかかる”過重感覚”を数度味わったことはとても意味がありそう。ただ、まだ再現性が高いとまではいかない。同様の動かし方を何千回、何万回・・と継続が必要。そのための練習方法を伝授。
・2週間後、2回目の改善指導。より良好な改善を図る。
トレーニングサポート研究所
所長 松尾 明